櫻(さくら)のこと
   
櫻(さくら♀)2002年11月4日~2017年6月20日(14歳5ヵ月)
子宮全摘、乳腺腫瘍、計4度の外科手術をしましたが腫瘍再発。
高齢と腎機能低下を理由に熟慮の末、外科的手術を行わないことを決める。
2017年1月6日腫瘍が自壊。

   





経験を伝えるということ
乳腺腫瘍とは!という科学的なエビデンスを示してくれているサイトはたくさんあるので‥そういうのはここでは抜きに。
では、乳腺腫瘍が自壊するという事は一体何がどうなるか?どんなケアをしたのか?実際に経験したことを記そうと思います。





「しこりを見つけた!」どうしよう‥

猫さんは飼い主さんが抱っこしたりなでたり、わりと初期の段階で胸やお腹にしこりがあることを見つける場合があります。
皮膚の下なので大きいように感じますが実際は米粒くらい。
触っただけでは気が付かないような、もしかしたらもっと内部に腫瘍が出来ているかも知れません。

腫瘍は遠慮することも無く不規則な細胞分裂をすることでどんどん大きくなります。
最初は米粒だったかもしれない腫瘍は5センチを超えるような大きさになることもあります。
猫さんにとって違和感を感じたりするかもしれません。舐めて腫瘍を壊してしまうこともあります。

そこで飼い主は選択をしなければなりません、外科的な手術により取り除くか否か。
取り除く範囲も乳腺全てを取ってしまう、または腫瘍のまわりを広めに取り除く等。
腫瘍を取り除いても悪性の物、良性の物、再発を繰り返すもの‥さまざまです。




「腫瘍が自壊(じかい)する」というのはどういうことか
では実際に腫瘍が自壊した様子をご覧ください。
画像は途中までしかありませんが経過観察し時間経過で腫瘍の変化を見比べようと残してありました。
いずれも画面の上が頭、下はしっぽです。


2017年1月6日~自壊がはじまる




2017年1月24日撮影 動物病院にて腫瘍の周りの毛を刈ってもらいました


2017年2月26日撮影


2016年3月1日撮影 腫瘍が大きくなり香箱座りしにくい様子でした


写真を撮ることが難しくなったのでここからイラストで‥







2017年6月20日旅立ちました。

御覧いただきましたように乳腺腫瘍は細胞の集まりであり刻々とその姿や形を変えます。
ここで記述するのは悪性腫瘍と呼ばれるものについてですが、その姿は変化に富んでいます。
(悪性の)乳腺腫瘍は猫さんから栄養を摂ってしまいます。そして自らは増殖と壊死を繰り返し、壊死によって膿が出て、臭いが出ます。




「乳腺腫瘍のケア」とは?
乳腺腫瘍はある程度の大きさになると皮膚が耐えきれなくなり破れます。
破れたところから漿液(しょうえき)が出たり、血小板などによってかさぶたを作ろうとしますが肥大化のスピードは速く皮膚が修復されることは難しいです。
腫瘍は血管を張り巡らしそこに栄養をいきわたらせたりします。
破れた皮膚に血管が集まっていれば出血も伴います。
こうなるとかさぶたは作れずに常に漿液が染み出てたり出血が続くといった状態になります。

自壊した部位は湿潤しています。よって患部を乾燥した状態に保つのは困難です。。
かといって腫瘍は平ではないので何かで覆う‥ことも難しいです。
いろいろな保護方法はネットで検索するとたくさん出てきますのでここで他のケアの説明は省きます。

わたしが行ったのは女性の生理用ナプキンを保護服の内側に貼り付け腫瘍を保護しながら滲出する体液を吸収することにしました。
日本国内で売られている一般的な生理用ナプキンは通気性も良く、薄く、清潔、扱いやすい、手に入れやすい、安価であるという点で使いました。
ナプキンを猫さんの体に直接貼り付ける訳にはいかないので、腫瘍を保護する服を探しました。
なるべく大きすぎず、かと言って小さすぎないサイズをたくさん探しました。
いわゆる「術後服」として市販で売られているものを加工して着せることにしました。
脇のところ、鼠径部の所に隙間があるとどうしてもそこから器用に舐めてしまうので絶対に舐めて壊さないよう、
例えば袖を付ける、又は袖のある術後服などを工夫して使ってみてください。


市販の術後服に袖を作り保護服にしました


櫻は自立が可能な猫さんでしたので、背中から開いて1頭、2前足、3後ろ足、4閉じる、という風な術後服は着せやすかったです。


ナプキン3枚使います Aを真ん中に1枚、Bを両脇に2枚という具合に貼り付けます




重ねているところから漏れたりするのでやや重ね気味に張り合わせます。


自壊した腫瘍の部位によって違うので猫さんの様子を見て調整してみてください。
櫻の場合はこのように貼り付けると、左右のどちらを下にして横になっても漏れにくいよう気を付けました。


舐めても安心の臭いが消える某商品を軽くナプキンにシュッシュ~。ナプキン同士で水分を押し合って吸収させて猫さんに着せました。
「臭い」は慣れます!慣れるしかないですっっ。適度な換気を行ってください。


背中から見下ろした画像です。ティッシュの箱ですが着せるとこのようになります。


こちらはお腹側をひっくり返している画像です。コツは保護服が引き攣(つ)れたりシワにならないよう貼り付けます。やっているうちに慣れます!


簡単な腫瘍の洗浄や消毒の仕方です。
軟膏は、はじめは膿を抑える成分のものだったのですが、腫瘍を盛らすために血流をよくする成分の軟膏に変わりました。
このあたりのケアはかかりつけの獣医さんとよく相談の上、各々が良いと思う方法で行ってください。




「旅立ち」
猫さんと毎日暮らしていると旅立ちの時は自ずとそろそろかなと感じるかと思います。
それまで猫さんには好きなことをさせてあげてください。
猫さんが喜ぶこと、嬉しい事、気持ち良い事たくさんしてあげてください。

私がお世話になった高齢の獣医師さんは勇退されましたがこう仰っていました。
「飼い主さんがこれだ!と選択したことが動物にとって一番最良な選択だと思います。」

個体差があるのでケアの仕方に王道はあったとしてもこれが正解!だと唯一無二の答えは無いと思います。
常に選択を迫られる飼い主さんには悩みは尽きません。ですが自信をもってお世話してあげてください。

化学療法、民間療法、色々あると思います。
どれが良くてダメかなんて難しく考えている時間はさほど与えられてはいないと思います。
猫さんの様子を見て熟慮の末に飼い主さんが選択することが最良だと思うしかないと、そう思います。




「あとがき」
愛猫が旅立つ間際の様子について思ったことがあるので書き留めたいと思います。
亡くなる1週間ほど前、自壊で勢いのある出血があった日を境に、食べる量が減りました。
日に日に食べなくなり、亡くなる日の2~3日前には体が冷たくなっていきました。
まだ自発的にトイレも行けるし、少量ではあるものの食事も摂れていました。

うちの猫さんは体が冷たく、やがて四肢の力が弱まりふらつくようになりました。
早朝、冷たいフローリングの上で体を投げ出し横たわっていました。おどろきながら抱き上げると体が冷たい。
寒かろうと不憫に思ったので6月後半の季節ですが猫用の毛布を下に敷いて猫ベッドに寝かせたのですがしっくりこない様子。
いつものように目で訴えるでもなく、鳴くわけでもなく、尻尾がぱたぱたと。
試しに、本格的な夏が来た時用に用意していた冷感素材のベッドに寝かしなおすとしっくりきたようです。
もしかして‥櫻は体は冷たくなるにつれ逆に暑さを感じていたのでしょうか?
それから30分くらい後にお別れの時が来てしまい私が覆いかぶさる腕の中でニャーと鳴いて旅立ちました。

ひとつの想像に過ぎませんが、、生き物はみな「死」に向かう道程の中である一点を通過すると、
自然と体は「死」に向っていくための何かしらの変化が体に起こるのかもしれませんね。
死=悲しくて悪いことでは決してないのだと思います。寿命を延ばすことだけに囚われなくて最期まで諦めずお世話できて良かったと今でも思います。
お別れの時はどんな形であれ深い哀しみにつつまれますが共に暮らした日々がとても幸せな時間であった思い出はいつまでも心に生き続けます。

考えがまとまらず読みにくくなってしまいましたが私の経験をどなたかに伝えたいと思い記しました。
乳腺腫瘍の自壊ケアを既にされている方、これからされる方の一助になれましたら幸いです。
生前の櫻のことをご存じのみなさまにおかれましては、櫻の体調へのお心遣い感謝しております。
その節は本当にありがとうございました。この場をお借りしましてお礼申し上げます。 2017年6月26日